生誕250年、ベートーヴェンの「会話帳」
⚜️会話帳とは…耳が聞こえなくなった晩年のベートーヴェンが使っていた筆談用のノートのこと。139冊が残存している。
ベートーヴェンは何人かの優秀な弟子を育てており、その一人がフェルディナント・リースという音楽家。
彼はベートーヴェンより14歳年下。師と同じくドイツ・ボンの宮廷音楽家の家に生まれた。16歳から4年にわたってピアノの指導を受けた。北欧やロシアを旅してピアニストとしての実績を積んだ彼は、28歳で渡英。売れっ子作曲家として名を馳せることになる。
リースの先輩であるシュパンツィヒは、1823年4月の会話帳でこう言っている。
「リースはロンドンでうまいことやってるようだな」
ヨーロッパ一の経済都市で出世した後輩を羨む発言となっている。
ベートーヴェンは決して教え上手な先生ではなかったが、それでも出世した弟子に敬意を払い、素直に甘えることをいとわなかった。そしてリースは故郷の老親を気にかける孝行息子のように師を支え続けた。
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